2010年7月28日水曜日

デザインコンセプト特別講義 篠原稔和 7月21日

ソシオメディア篠原さんによる大学院特別講義。 先生とソシオメディアの篠原さんは一緒にNPOをやっているのか。 今日は、篠原さんの誕生日!! Happy Birthday!! NPOってHCD-Netのことだったのか。まずは篠原さんの自己紹介。オフィス家具の会社に勤めていた。オフィス家具の会社の次は、オブジェクト指向に関する仕事をしていた。その後、1993年にMosaicと出会った。 篠原さんとウェブの出会い。今で言うとiPhoneアプリをつくっている人の熱に近いものがあるかもしれない。 Appleのウェブサイトをつくる業者を募集するコンペがあった。これはジョブズのいない時代の話。Appleのウェブサイトをローカライズするために、フリーランスが集まったのだけど、最終的にバラバラになった。 すぐにAppleのウェブサイトをつくるのではなく、ウェブサイトのルールをつくることから始まる。情報構造やナビゲーションなどのデザインガイドラインからのローカライズをしてから、ウェブサイトのローカライズ。キーワードは、ユーザビリティ、インタラクションデザイン、人間中心設計... 日本では、全然勉強できないことに気づいた。画面のデザインはどうしたらいいのかということも全くわからない時代。 @frkwyk まずは会って話してみたいね。そのときに言ってみるのがいいかも。 なぜ、このウェブサイトのデザインなのか? ということを説明できないと、運用の時点で問題が発生する。 単にウェブサイトをつくってくれればいいのだよ、という考え方をもっている人は意外と多い。本当は、どう運用するかのガイドラインも大事だったりするので、そこの啓蒙活動をいまはがんばっている。 http://jp.techcrunch.com/ も篠原さんが関わっている。 sociomediaはMITのEdward Barrett教授の言葉である。教授に許可を得て社名にしている。ソフトウェアにおけるUIの役割と傾向 プログラム技術の面からのデザイン-オブジェクト指向、デザインパターン- UIの面からのデザイン-UI設計・評価手法、UIデザインパターン- sociomediaのウェブサイトからUIデザインパターンを紹介。https://www.sociomedia.co.jp/category/uidesignpatterns デザインパターンは建築の世界で始まった概念。建築からソフトウェアへ。そして、ソフトウェアからデザインへと広まってきている。 こういう机の配置は--という名前にしよう。--はこういうときに使うものである。という風に、役割とデザインを名前をつけて、整理するというのが、デザインパターンなのかな? 書式プロンプトは、ユーザごとに入力書式にばらつきがあるものを統一させる。その結果、データベースにもエラーが少なくなるし、ユーザ側も混乱しないという両方のメリットがある。 デザインパターンは、ボトムアップのデザインだと感じるけど、全体はどうやって決まるんだろ? デザインパターンにも思想があり、似たものは一緒に紹介することで、全体として統一感がとれるようにしている。 知識のある人は、そこからデザインできるが、知識のない人は、形式知化されていないとすぐに理解するのが難しい。それを誰にでも参照できるようにしたのが、デザインパターンである。 最近のUIデザインの傾向: Webブラウザを中心としたUI, タッチパネルなど具体的に触れることができる端末のUI ブラウザ上のデザインは自由度が一気に増す。 今年のクリスマスには、Androidのタブレットが一気に出てくるはず。 これまでは、UIを規定する存在としてOSがあった。OSが規定した作法の中で、ネイティブアプリケーションのUIが存在。例. Apple Human Interface Guidllines AppleのUIのガイドラインとAndroidの自由度では、どちらが望ましいのだろう? 質疑で聞いてみよう。 Webサイトは自由度が大きいため、いいデザインと悪いデザインが混在している。AppleのiPhone, iPadにはガイドラインがある。ガイドラインのヒエラルキーがある。 Appleのガイドラインを読み込むことが、iPhone, iPadアプリを作成するための近道になる。 GoogleのAndroidでは、ガイドラインが存在しない。これではまずいと気づいて、一気にGoogleはガイドラインを作成しようとしている。しかし、Appleのガイドラインは長年積み重ねてきたもので、Googleが一気に逆転できるものではない。 Appleのガイドラインも完璧ではない。こうあるべしというルールが強固になっているので、ガイドラインによる思想がマネタイズを阻害していると考えられる。 よいものをつくるためには、デザインのコンセプトを明示したガイドラインをつくる必要がある。 パンくずリストの起源であるヘンゼルとグレーテルの話。実は、ヘンゼルとグレーテルはパンくずを使って家に帰れていない。お菓子の家にたどり着いた。 ウェブの場合は、後追いでユーザビリティのルールを蓄積している。 非常にトレードオフが多い分野だ。 ウェブのUIは混在の時代になってきている。 CUI→GUI→TUIと進化してきている。 ニールセンの話。物理的な操作とソフトウェアの中で定義される抽象的な対象の操作をどのようなUIの作法で統合していくか。 ニールセンのiPadの話。http://www.usability.gr.jp/alertbox/20100510_ipad.html Apple社の動画編集ソフト iMovieとFinal Cut Studio 動画編集という機能は同じだが、似ているようでかなり異なるUI ソフトウェアの世界観が違うから、UIが違う。iMovieは、撮った動画をつないで編集するソフト。Final Cut Studioは、様々な素材を時間軸を基準にして組み合わせることができる統合編集環境。 世界観からUIへの落とし込みには、どういった検討が必要なのだろうか? GUIは物理的に触れられないので、メタファーを用いてわかりやすくしようとしている。たぶん、メタファーと習熟、学習効率はトレードオフになりそうな気がする。 ソフトウェアにとって使いやすさとは? シンプルであることは重要。しかし、シンプルとはソフトウェアの世界観をシンプルに表現できているかというところが大事。 ソフトウェアのデザインにおける2つの方向性 1. 既に抽象化されたもののリノベーション 2. 新しい世界観の抽象化 航空管制のUIをどうしても考えてしまう。リノベーションと新しい世界観の抽象化ではどちらのほうがいいのだろうか? 航空管制でもデザインのガイドラインをつくれば、おもしろそう。 時間なので、いったん篠原さんによる講演は終わりです。ありがとうございました!!

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