2010年6月2日水曜日

デザインイノベーション特論 佐藤雅彦 6月2日

  • 佐藤雅彦さんとは
今日のデザインイノベーション特論では、佐藤雅彦さんを紹介する。佐藤さんはデザイナーでもないし、面識もないが、作品集を見ておもしろいとおもったので紹介する。デザインに興味があるけど、デザインできない。そんな人は多い。佐藤雅彦さんは、広告代理店という環境でデザイナーの作品に触れることが多かった。そのせいかわからないが、自分の好きなクリエイティブの作品に共通点があることに気づいた。31歳ではじめてクリエイティブ局へ編入。佐藤雅彦さんは電通クリエイティブ局に移動した最初の2年間まったく仕事がこなかった。その2年間で、世界中のCMを見て、おもしろいCMに共通するパターンを見いだした。佐藤さんは自分のセンスに自信がある人ではないので、世の中で受け入れられているCMを分析することで、センスの代わりにしようとした。
  • チャンスについて(山崎先生の話)
若い人に仕事を任せるときは、時間がない、お金がないから、とりあえず、若い人にデザインを任せることが多い。そのチャンスを掴めるかは、その人次第。研究も同じで、なんでその研究がいいのかを発見し、そのルールを自分の研究に生かすことが重要。
  • バザール・デ・ゴザール
物語は重要。バザール・デ・ゴザールは単なるキャラクターではない。物語を演出できる性格をもったキャラクターである。 人間を動かすには、共鳴させること。共鳴させるには、物語を使うこと。そして、物語には主人公が必要。 ゴール・ダイレクテッド・デザインも似た考えの手法である。アラン・クーパーが提唱した。山崎先生の視点からすると、バザール・デ・ゴザールとゴール・ダイレクテッド・デザインは似ている。 佐藤雅彦さんはバザール・デ・ゴザール、モルツとロングヒットなCMをつくる人だな。商品名の連呼だけでなく、他にもいろいろな手法を使っているはず。
  • なんでもやることの重要性
デザインを学んでいる学生は、自分の専門分野に閉じこもりがちだが、佐藤雅彦さんはCMをつくるためなら、作曲や絵コンテなどなんでもこなす。絵コンテには、絵だけでなく、音も表現されている。 紅茶のピコー、ドンタコスの紹介。90年代に商品名を連呼するCMを見たら、佐藤雅彦さんが手がけたものだと思った。
  • ルールとトーン
ルールは大事だが、ルールは出発点にすぎない。ディティールの完成度が作品のよさに影響している。 ルールの他に、トーンの重要性に気づいた。トーンというのは、出来上がりの感触というか感性に響く細かいものである。 地名には著作権がないことを生かした商品名や語尾のシズル感をいかした商品名などを考えた。 佐藤雅彦さんのように、いい研究論文をたくさん読むことで、自分なりのルールとトーンをつくり、それから研究を進めることで、いい研究テーマを見つけることができる。 人のつくった作品のルールを分析する作業ではなくて、自分でルールをつくる方にまわるため、電通を退社したのではないかと考えている。
  • 作品と意図
Play StationのIQをつくった。だんご三兄弟の作詞作曲を担当。ポンチキ、うごくID、日本のスイッチ... 佐藤雅彦は新しい手法とか考え方をつくる人。人とは違う手法を使う。そのことで人とは違うアウトプットを出す。砂浜という小説では、声で喋るだけで小説をつくった。 ICCでの展示に関する動画を見ている。自分のからだを変換してみよ展。 人と同じ手法を使えば、アウトプットが似てきてしまう。独自のアウトプットを出したいなら、人と違う手法を使わなければならない。 信号機の信号が変わるタイミングを視覚化したものや山手線のダイアグラム、サッカーのパスの方向、文字を書くときのペンの空間的な移動の軌跡...を見ている。 pro-gramという考えを用いた作品集。
  • 佐藤雅彦と山崎和彦の交差点
ほとんどのものには、ルールとトーンがある。 裏に隠れているルールをいかに見せるのか、ということを視覚化したのが、さきほど上映した佐藤雅彦さんの作品。情報デザインとも繋がってくる。 方法や手法を考える上でのヒント。何かデザインをするときには、デザインでどういう体験が得られるかということを考えていて、それがUser Experience もう一つは、モノから発想する。それはどんなモノなの? User Experienceとどんなモノかという考えの間で、Interactionが起きる。content←→form 人とモノの両方から見ることで、デザインが見えてくる。両方を繋ぐのがデザイン。 デザインというのは、目標のためのプロセスとメソッドである。目標がないなかで、プロセスとメソッドを教えても意味がない。どんなものをつくったらいいのかということがすごく大事で、難しい。

デザインコンセプト特別講義 澄川伸一 6月2日

  • 澄川伸一さんの経歴と思考の変遷
山崎先生による澄川さんの紹介。Good design awardの審査員の関係で知り合った。 大学は千葉大だった。津田沼の予備校でアルバイトをしていた。 IDよりは、外部から講師の人が来る空間デザインに興味があった。たまたま、ソニーの選考を受けたら通ってしまい、そこからIDの世界に入り込んでしまった。 いま考えるプロダクトデザインと昔考えるプロダクトデザインはかなり違う。昔は車に象徴されるように、地味な存在だったと思う。いまでは、プロダクトデザインのイメージはよくなってきたので、時代の変化を感じる。 ベースになっているのは、ソニー時代の仕事の進め方。澄川さんは、大きい会社に一度入ってしまうことが大事だと考えている。営業や製造などのデザイン以外のことを経験できるのは、大きな会社ならでは。また、大きな会社では比較的大きな仕事が回ってくる確率も高い。 デザインするときに、デザイン以外のことをいかに20代のうちに体験することが大事。その経験が30代、40代になってデザインに生きてくる。人と違うことをどれだけやれるかがその人の魅力に繋がってくる。 課題が忙しくても、いろんな経験を積むこと。それがあとで役に立つ。独立した動機というのは、死ぬまで電卓のボタンをやって終わる人もいるが、それはいやで、身の回りのものをすべてデザインしたいというのが、独立した原動力になっている。 いまも仕事自体は非常に忙しく、締め切りに追われる日々を送っている。からだを鍛えることは大事。いつも鼻水をたらしているようでは、仕事が回ってこないと言っても過言ではない。 とにかく元気で体力がある。それはデザイン以前の問題。フリーランスになるとその部分がさらに大事。締め切りの何日も前に完成させて、ブラッシュアップさせることでデザインがよくなっていく。 できるだけ余裕を持ってデザインを仕上げる。
  • ポートフォリオについて
あとは作品集。毎年雇ってくださいとお願いする学生が出てくる。基本的に、デザインはひとりでやる。3Dのソフトの線一本でも他人がやったのは違う。ヨーロッパの学生は、自分を売り込むのが、非常に熱心。オランダのデザインが最近は非常におもしろい。ドローグデザインやPhilipsのデザインもおもしろい。ヨーロッパの学生は、いきなりPDFを澄川さんのところに送ってくる。澄川さんも送られて悪い気はしない。まずはポートフォリオの完成度。紙のポートフォリオよりもPDFのポートフォリオを用意すること。これは世界標準です。
  • アイディアの出し方
今日は、アイディアの出し方の話をする。 プロダクトデザインにおけるコンセプトの見つけ方
  1. すべてのヒントは現場にある
  2. まず、現場に行ってみる
その行動力が他人と差をつける。
  • SONYのころの話
ソニーにいたとき、4年間はアメリカのニュージャージーにいた。日本でデザインしたものをアメリカでうっていて、それを見直そうということになった。日本のデザイナーが想定したベルトクリップは、腰につけてもらえず、アメリカの人は、手にもってウォークマンを使っていた。 手に吸い付くようなウォークマンのデザインを提案した。嘘のようにスムーズに製品化された。グリップウォークマン。ナイキやスキーシューズに曲線的なテイストが用いられるようになった。その影響でグリップウォークマンには、曲線が用いられている。企画書がきてやるインハウスデザイナーの仕事の他に、自分で提案することをぜひやってほしい。デザインの発注がきたと同時に現場に出向くのが基本になっている。
  • タワーレコードの音楽自動販売機
iTunesなどで音楽販売が普及される前(2000年頃)のタワーレコードのデザイン。タワレコはガラス張りの店舗なので、音楽の自動販売機を置くときは側面のデザインが大事だと考え、デザインの基本に据えた。 まず、プライオリティーをつけてみる 課題でも何でもそうなのだけど、全部を同等に捉えると手が進まなくなる。何かを犠牲にして、何かを生かす。必ず相手に何が大事かを初期の段階で、明らかにする。プライオリティーの低いことを消し去ることで、いいデザインをうみだすことができる。
  • プロ用一眼レフカメラ
MamiyaZDのプロ用のカメラをデザインした話。プロ用になればなるほど、レンズの値段の方が高くなってくる。アナログからデジタルに移行するとき、プロの方は数百万円する資産を持っている。コンセプトは、いままで持っていたレンズに敬意を払うこと。レンズを取り付ける台座をちょっと強調したデザインにしてみた。一眼レフカメラのデザインは難しい。片手でシャッターを押しつつ、レンズの絞りを調節できるようにしないといけない。その他に重量バランスも考慮しないといけないので、一つデザインするとかなりヘロヘロになる。 10色以上の黒を用いている。黒の使い分けをしている。そこにもプライオリティーが発生している。 一眼レフをデザインするときに役立ったのが、SONYのころにデザインしたラジオ。世界時間を搭載したラジオだった。マニュアルがなくても何となくわかる。ベースに対してコントラストや面積が大きいほど重要なパーツである。 階層化させるという部分。いまはiPadやiPhoneにしても物理的なボタンがなくなってしまった。しかし、ソフトウェアによるボタンは押したときの安心感がある。そこで揺り戻しが起きるかどうか興味深い。
  • 澄川さんの作品と意図
動きをデザインしてみる 自転車のデザイン機で、川崎デザインコンペで優秀賞を受賞した。潮の満ち引きに例えて、デザインしてみた。自転車が置かれていないときの駐輪機はかっこわるい。 浴槽に入ると湯船の水位が上がる。その動きを何か表現できないか。水位が上がると肘掛けなどが独立した島として現れる。 pecon! 外国で評判が良かった。Ashコンセプトで販売されている。 軟式のボールを切って反転させることをしていた。そこから発想したのが、pecon!である。エッシャーの騙し絵もそうだが、地と図の反転はいろんなことに活かせるのではないかと考えている。 Pekon vitamin case. Ashコンセプトの社長に、7年前金型がつくれなかったものがつくれると声をかけていただき実現した。 かたちを考えて、思いつかないときは、CADを使用するのをやめて、粘土や発泡スチロールなどを用いて、手にフィットするかたちから考えてみる。 日本酒の器の話。立食パーティで手に持って使えるようなものを目指した。婦人用の体温計。女性が朝起きて一番最初に目にするものなので、その観点から見て、よくなるようにデザインした。 視点の転換 頭の上にカボチャを乗せている人の写真。頭の上にモノをのせることで、遠くの人から見つけやすくすることができるし、その結果、売れる可能性が高まる。 倒れるものをたてると価値が発生する タイルの一部を傘立てや一輪挿しができるように組み替えられるタイル。 同じような発想で、立たせる歯ブラシを考えた。歯ブラシには、歯ブラシケースがあるが、ブラシの部分は乾燥させたい。そこで立たせる必要があった。 靴べらの話。玄関先に、セルロイドの靴べらがあるが、お客様に使われたりする可能性のあるものなのに、かたちがよくなかった。贈り物などでよく用いられる。 独立後、最初に手がけたデザインの話。モックに60万円のお金をかけた。賞がとれたのでトントン。 漆のお盆の話。同心円をちょっとずらすことで、 日立のプロジェクタの話。光量が強いので、そのイメージをデザインするときに、スポーツカーの力強さからインスピレーションを得た。 陰で魅せる時計。針は三角形でできている。MOMAに収蔵されている。 古いものを再構築してみる 漆はモダンな色が多い。結構埋もれているような色を使うことで現代的な表現を可能にする。 世界一美しいハンガーをつくろうと考え、ハンガーがかかっていない状態が美しいハンガーをつくった。 ダンベルを持って走っている人を見かけたが、別にダンベルである必要はないと考え、美しいスポーツ飲料のケースをつくった。持って走ることも想定されている。 潜在意識下の色を使用。ヒントは現場にある。
  • 発想のストック(海外旅行のすすめ)
海外で見つけたもの。大学の後半から、バックパッカーのように海外をふらふらふらふらしていた。 20代のメインの趣味がバックパッカー。57/220カ国訪れた。いまは治安も悪いので、おすすめはできないが、海外の何も知らないところへ行ってみるとおもしろい。 青い雪の話。氷河が青いだけで、非常に美しい。 アメリカでおもしろいのは、ユダとかその周辺。ラスベガスに行ったら、グランドキャニオンに行くことをお薦めする。こういうのは、その場に行かないとわからない経験。 観光客が行かないような場所にレンタカーで行く。ソルトレークシティに近い猿の惑星などのロケ地の写真。 トルコのカッパドギアの写真。 ヒマラヤ、アンナプルナというベースキャンプまで行った。カトマンズから往復2週間で行けた。2週間という時間は、社会人になってからでは難しいので、いまのうちにいくことをお薦めする。 モスク。蟻塚を崩してつくった建築の写真。昆虫は調べれば調べるほどおもしろい。 ここでもスターウォーズの撮影があった。なるほどなと思った。 風 アルゼンチンの国道。フロントガラスの前に金網をつけないと動物が飛んできて、フロントガラスが壊れてしまう。これも現場にいないとわからない。 世界を変えるデザイン展の話。ドーナツ型の水を転がして運ぶことができるデザインの話。まだ開催中なので見てほしい。 仮面 ニューギニア。昔は部族間の抗争は頻繁に起こった。いまでは、お面の見せあいだけが残った。炎天下でお面がドロドロにとけてしまう。 ブータン。非常に日本に似ている。チベットの国。色の使い方が違う。それがおもしろい。共通項が違うところであるのはおもしろい。 ハイチの乗り合いバス。ペイントするのが当たり前で、ハイチではあまり色がない。その中でのデザインが非常におもしろい。 ポルトガルのナザレという町。 絵文字 亀のギター。モロッコで発見した。衝撃的だった。 セネガルの床屋さん。看板が非常に魅力的。これをアートとしてしゅうする人が出てきた?? いろんなところに行くと、いろんなものを見る。ロバが自分の体積の20倍くらいの藁を運んでいる写真。 モスクワの地下鉄の話。透明なおはじきのようなMのデザイン。軽いので何枚ポケットに入れても重くならない。 モスクワというと固いイメージを井達いる人が多いと思うが、アールヌーボーの天国。 できるだけ情報の少ないところに行って何かを見つけることが非常におもしろい。けがや事件に巻き込まれないうちにいろんなところへ行くことが一番伝えたいこと。
  • 質疑応答
Q. いつから曲線に興味を持ったのか?
A. もともと興味があった。昔は想像した曲線をうまく表現できなかった。3DのCADが15年前に登場したときに、やりたいことができるようになった。曲線から局面を構成している。ライノセラスを使っている。 いま、3次元の世界でモデルをいかにつくるかということに関して世界が進んでいる。光造形だと1日あればモデルをつくれるが、3Dプリンタだと2~3時間でできる。会議中にちゃちゃっとつくってメールを送れば、すぐに作成することができる。 3次元をレンダリングのためだけに使うのは、もったいない。それから現物をつくることでイラレやフォトショップでは得られない大量の情報が得られる。昔は、イラレから3面図をつくって3Dに直して、というプロセスを踏んでいたが、いまではすぐに3Dからつくれることがデザイナーに求められる価値 スケッチよりも3Dで早くつくれることがこれからのデザイナーにとって非常に重要である。
Q. 世界を旅されることで得たものは?
A. 例えば、電車のつり革にしても日本では、丸く中が開いていて掴むことができるタイプのものが普通だが、ロンドンでは、握るタイプのつり革がある。現場での吸収力がデザインに生きてくる。 特に東欧は一種の鎖国状態なので、その中から出てきたデザインは非常におもしろい。感動を覚える。例えば、段ボールで出来ていた車もあった。 自分で当たり前だと思っている答えが地球の裏側であって、それが実は重要なんじゃないかと感じる。 青山に行けば深澤直人がデザインした加湿器を見ることが出来るが、それだけを見ていたらデザインは出来ない。むしろ、デザイナーがデザインしたものを見ない方が、新しい加湿器をデザインできる。
Q. ロジカルにデザインを考える方だと感じたが、感覚的にデザインを発想されることはないのか?
A. ロジカルと感性は両立して、進んでいる。澄川さんが元々いたところは、ロジックが強い学校だった。それに反発するかたちで、美しさを追求するようになった。 デザイナー同士で話を進めるときは、感性的で通じるが、営業などの別分野の人と話をするのはロジカルじゃないといけない。 人がモノを買うときは、ロジカルに考えていない。感性的に判断している。あまりロジックに偏りすぎるとよくないが、感性に偏りすぎてもよくない。 ロジックに考えることは誰でもできることで、それを追求するのはデザイナーの仕事ではない。
Q. ロジックに関連して、エンジニアリングの話。3Dなどで簡単につくれるとそれがそのままつくれると勘違いする人も出てくると思うが、澄川さんは最初から製造のことを考えてデザインできたのか?
A. 企業に入ってから、学ぶことが非常に多かった。教科書で金型のワリを学んだが、企業に入れば嫌でも学ぶことが多い。いまのうちは、実務の知識を学ぶ必要はなくて、デザインのストック、分母、美しいデザインをいまのうちに学んでおくことが重要じゃないかと考える。 自分の作りやすいかたち、自分のつくりたいモノはなんだろうということを考えるのが先決。技術はどんどん進んでいくので、かたちをつくることが重要。

2010年6月1日火曜日

横溝先生の講義 フセインチャラヤンからアクセサリー

千葉工大と多摩美を比較したプレゼン終了。横溝先生による講評。artとscienceを繋ぐハイブリッドな考えが必要。art and scienceがいいのではないか? ないものを追求するのではなく、相手が既に持っているものと自分たちの持っているものを掛け合わせて、新しい考えを生み出すことが必要。 プレゼン終了。俯瞰して、日本社会全体として、千葉工大のデザイン科学科はどういう位置づけなのかということを考えて、そこから問題にフォーカスするといいとアドバイスを頂いた。 眠い。プレゼンするには照明を落とさないといけないのだけど、そうしないでプレゼンする方法ってないのかな? その方法を考えられたら、結構すごい気がする。 デザインの役割とは、という話に発展。先生は、デザインはハブになることである、と捉えている。ある院生は、デザインとは、すべてを包括する存在がデザインであると捉えている。 イタリアでは、優秀なデザイナーのことをprogetistaと呼ばれる。 デザインとは、枠組みづくりができること。 大学のパンフレットには、いろんな学科の紹介が載っているが、そのすべてにデザインという言葉が入っていた。その中で、デザイン科学科にしかできないことは何なのか。高校生がわからない。 学部の頃は、教授は学生から何かを学ぼうという姿勢はほとんど感じられなかった。院生のいまは、先生が講義を通して何かを学ぼう、という姿勢がすごく感じられる。この差が与える影響は、かなり大きいと思う。 媒体は、accessory. 課題を解決するものではなく、課題を知らしめるものをつくる。 いいAccessoryがつくれたら、Milano salone2011, Tokyo Designers Blockで展示、販売するかもしれない。 風土、土壌、コンテクストが見えるアクセサリーかつ売れるものをつくらないといけない。この課題は、おもしろすぎるw 上限は3000円くらいでつくる。 アクセサリーを通して伝えたい意味的価値をチーム内で共有する。自分たちはテーマを通してこういう価値を提供して、社会にこういう価値を提供したいということを考えてくる。身につけたときの印象やそこからどう広がるかも考える。 どろだんご。小さな価値観の共有が包括した価値として繋がってくる。 解決すべき課題を語ってくれるアクセサリーをつくれということかな。 どろだんごは、ものづくりの楽しさを思い起こさせてくれる抽象的な概念。本来のもの作りの楽しさを取り戻して、社会へ巻き込んでいく。知りたいと思ったら、語ってくれるものでないといけない。

2010年5月27日木曜日

デザインコンセプト特別講義 5月26日 福田哲夫

  • 福田哲夫さんとは
N700系をデザインした福田哲夫さんの講演です。 ワークショップでは、スケッチをするみたいです。 産業技術大学院大学の福田哲夫さんの講義が始まります。N700系や自動車のデザインをされている方です。民営化してから鉄道のデザインを手がけている。皆さんのキャリアアップに役立つ話ができればと考えている。 途中スケッチを挟みながら、環境、サービスについて話していく。
  1. デザイナーとして
  2. 美しいカタチ
  3. 風・音・光
  4. 旅のしつらい
  5. まとめ
人は覚えたと思っても、すぐに忘れてしまうので、メモを取るようにした方がいい。STYLING×ENGINEERING=DESIGN 自動車会社でのデザインの話。本当に幅広い分野のデザインを手がけている。すごい人だ。 ATMコーナーをつくった話。ディスプレイデザイン賞をもらった。モノのデザインから社会システムまで。
  • 福田哲夫の歴史
自動車会社をやめたのは、自動車以外のデザインをやりたかったから。 実家が材木屋だったため、木に困ることはなかった。 フリーランスになって、すぐに第1次石油ショックが起きた。一気に世の中が冷えていった。そのような時代なので、全然仕事がなかった。排気ガスやゴミの分別などの環境に対する意識も今ほどではない時代だった。 そのころにマーケティングを勉強した。Appleやセブンイレブンの話。みなさんも興味があったら、いろんなところに首を突っ込んでみるといいです。 デザインの啓蒙活動を、環境と夢の大切さを説いている。 美しく魅力的なものづくりを通じて快適な暮らし 孫を見ていると原点が見えてくる。危ないものをつくっちゃいけないな、と。赤ちゃんは、カーペットとフローリングの境界線を繊細に意識している。赤ちゃんは、カーペットの上だけを上手に動く。 安全性から安心感へ 安全(工学系)→安心(感性系) 安全は工学系の人が使う。安心は感性領域でデザイナーの人が使う。 機能デザイン×感性デザイン TDO(Transportation Design Organization)
  • 鉄道デザイン
鉄道はいろんなパーツの集合体なので、一人ではデザインできない。異なる分野の人たちとコミュニケーションできるということが大事。 踊り子号のデザインの話。5種類の楽しみ方を用意した。 普通の車両デザインの5倍くらい労力がかかっている。 山形新幹線。この前ラストランだった。このときのコンセプトは、四季を写すようにシルバーのカラーを採用。くさび形では、騒音が発生する。有機的なカタチのB案では、騒音を減らすことができた。 どうしたらメンテナンスがよくなるかということを意識しながら、機構をデザインしている。そのときのプロジェクトでは、発言する立場ではなかったが、あえて提案した。他の案では、2本ピンを使用した。1本なら耐用年数が長くなる。 デザイナーは品質管理のために仕事をしている。材料、加工、組み立てを意識してデザインを考える。
  • 携帯電話
昔の携帯電話の話。デザインが毎年毎年小さくなっていく。 当時は、スライドや開くタイプなどの話ではなかった。携帯電話のサイズをいかに小さくできるかということを追求していた。 ゆくゆくはハンズフリーの時代がくるのではないかと、予想していた。この予想は20年前の話。デザイナーは未来を見据えながら、快適な生活を提案しないといけない。エンジニアからはつくれないといわれるが、デザイナーは夢を示すことが大事。 23,4のときに父が他界した。そのとき、人生はなんて短いのだろうと悟った。53,4で終わるかもしれないと考え、人生の計画を練った。 デザインは作法を促す バスの提案。中古のバスを改造して、外国人が東京へ来たときに安心して乗れるように工夫した。バスはたいてい真ん中に人がたまる。そこを思わず、後部座席から着座してしまうような仕掛けを考えた。 後ろの方に丸窓を用意している。そして、後ろの方へ行くほど広くなっている。そうすると人は、前の方にとどまらないし、後ろの方へ行く。 デザインはカタチが、人の作法を促すことは可能なんだと考えている。 普通の人たちのためにやらなきゃいけないことが、まだまだたくさんある。 FUKUDA TETSUO Designerなので、Dを入れて、 FUKUDA TETSUDO 要素積み上げ型→一体分割型
2. 美しいかたち
昔は枚数ではなく、重さでスケッチの量が量られていた。 N700系の話。空力の問題の話。難しいけど、すごくおもしろい。 流線型でも横揺れを防げなかった。それを飛行機の水平翼を応用することで、横揺れを防ぐことができた。 N700系の横揺れ問題を解決したことは、世界中の新幹線に影響を与えている。 Function+Function=Form→Form+Form=New Function くさび形のデザインと水平翼のかたちを組み合わせることで、新しい機能を生み出すことができた。 後から考えると、もっと自然に学ばなければならないなということを知った。 新幹線の先頭形状の設計用件の一部: 高速性、安全性、居住性、運用性、軽量化、環境性、乗心地、安定感、静粛性、審美性 これらすべてをクリアしたデザインを考えなければならない。先頭形状の最適化: 在来工法では約700個の部品。新しい工法では、38個の部品。 Appleのアルミの削りだしについては、飛行機ではすでにやっているし、スペースシャトルでは、さらに前からやっている。 高速車両は、鳥類の頭蓋骨に似ている。
3.風・音・光
新幹線のデザインコンセプト 世界の鉄道は、有機的複合形態へ。単純なくさび形は終焉している。 学部生のプレゼンでは、何となく好きだからといった感覚的なものが多いが、論理的に説得しないと子供のお絵描きと変わらない。 すごすぎる。福田哲夫さん。ロジックと感性、デザインとエンジニアリングとコストのすべてを包括している。 あえて、わずかなRをつけて壁をデザインした。直線の壁だとコストが安くすむが、ユーザのことを考えて、あえて直線ではないデザインにした。 技術をリードするデザイン。 スタイリングのためのデザインはいっさいなく、すべてなんらかのFunctionを備えたデザインになっている。
4. 旅のしつらい
マイナスの要因をプラスに変えていく。飛行機でのサービスの話。新幹線は、マイナス要因をプラスに変えられていない。 紙コップよりは陶器のカップで飲むコーヒーの方がおいしい。しかし、陶器のカップは重たくて飛行機に積み込めない。そこを解決するのが、デザインの役割です。
5. まとめ
常に未来を見ながら、新しい価値を創造していく。それが皆さんの役割です。ひとりのひらめきを、みんなのときめきへ。講演は終わり、次はペットボトルのスケッチのワークショップです。日々の生活で疑問をもつこと、情報発信すること、すべての前提として好奇心旺盛さがある気がする。いろんな人にたくさん会うことで学べることがある。本を読むことも大事だけど、体感することが大事。

デザインイノベーション特論 5月26日 リチャード・サッパー

  • リチャード・サッパーの経歴
今日は、リチャード・サッパーの話をする。 ドイツに生まれて、大学では経済学を専攻、経済学の中で工業デザインを活用できないかと考えていた。その後、ベンツに就職し、バックミラーのデザインを担当していた。 ベンツからミラノに移ったが、そのきっかけとなったのは、ジオ・ポンティである。ミラノでジオ・ポンティの建築をみた話。ミラノでは、建築を学んだ学生じゃないと工業デザインを手がけられない。 リナ・シャンテというミラノのデパートで、展示の企画を練った話。サッパーはマルコ・ザノッソとペアで20年近くデザインをしていた。その後、FIATやIBMのコンサルもしていく。 ジオ・ポンティの紹介。イタリアのモダンデザインで重要な人物。ミラノでデザインのエキシビジョンを初めて開催したのが、ジオ・ポンティ。その流れがミラノサローネにつながった。 ジオ・ポンティは建築から始まったが、デザイン界に影響を与える人物である。 建築と工業デザインの違い。工業デザインは、アメリカ発祥の概念。当時のアメリカでのデザインという言葉は、スタイリングを意味する。イタリアでは、建築からデザインがスタートしているので、デザインとは、構造を考えるということである。 今のアメリカでは、スタイリングだけのデザインではない。20年くらい前にIBMに入社した頃の話。そこでは、スタイリングとしてのデザインを担当した。 サッパーがジオ・ポンティの事務所に入れた話。ベンツで板金をやっていたことを売りに、ジオ・ポンティの事務所に入れた。 マルコ・ザノッソの紹介。 Brionvegaというメーカーのテレビをデザインした話。50年前のデザイン。今でもモダンなデザインである。10年前に復刻して売っていた。 いすの話。金属のプレスを使ったいす。丸くして張りをもたせる。 モジュール化されたいすの話。 携帯電話のような電話の話。丸くてかわいい。 BRAUNのデザインの話。シンプルなようでかなり考えられている。造形としては複雑なテクニックが使われている。 学生が考えるシンプルなデザインはつまらない。ボタンやつまみのディテールのデザインがあまいとシンプルなデザインもつまらないものになってしまう。シンプルなデザインを追求する方法として、彫刻のような方法がある。 サッパーはすごいシンプルなデザインが多い。個人的には、結構好きかも。 IBMイタリアの建築。非常要階段をシンボリックに表に出している。階段だけ取り出しても、現代彫刻の展覧会に並んでいてもおかしくないと思う。 見る角度によって形が変化する。このやり方は2つある。角度によって全然違う、驚きを狙ったもの。もう一つは、連続性があるもの。連続性があるものは、不思議な感じがする。 サッパーの時計の話。デビュー作品。弾薬を使って何かできないかとの依頼。50年前の作品だが、2年ぐらい前に復刻された。 サッパーのデザインは、基本的な機能を満たしつつ、全体をシンプルに落とし込み、シンプルさと相反しないようにディテールに気を配ったデザインをしているのが特徴かもしれない。 若いデザイナーは、シンプルさだけに気を取られてしまう。ただ、シンプルなデザインは、すぐに飽きてしまう。 やかんの湯気が出る部分をハーモニカメーカーに依頼した話。ハーモニカのパーツを使っているので、ほかのメーカーが表面的にデザインをまねしても、本物にはかなわない。 飽きないデザインを考えるときは、シンプルなんだけど、動きを与える。 究極のディティール。 サッパーは、細部に神は宿るということを地でいくような人なのか。

2010年5月20日木曜日

デザインコンセプト特別講義 5月19日 中川聡

トライポッド中川さんの講演。昨日までニューヨークにいた。ニューヨークのクーパーヒューイットの院での話をしたい。
design for the other 90% Why design now?
クーパーヒューイットはデザインのミュージアム。Design revolutionという本の紹介。今のデザインは都市型の人しか焦点に入れていない。
design revolution road show 来年台湾で実施する。
ユニバーサルデザインは新しいフィールドへ。ソーシャルイノベーション。
いま韓国のデザインのレベルが上がっている。東大の中川さんのデザインサークルは100人集まった。デザインユニットを来年実施する。takram田川さんも排出されたし、東大の先端デザインをのばしたい。
建築家のデザインはディテールまで徹底してつめてくる。デザインには、そういうことが大事。東大生でも教えればデザインをできるのだなと実感。カタチからつくるのは大事。地域に80人くらいのクラフトのチームをつくっている。メリーランド大学のデザインは聞いたことがなかったが、とてもデザインがよかった。東大に招待したいと思っている。メリーランドのデザインは、建築系の作品。竹や廃材を利用したとてもユニークなデザイン。ロシアのサントペテルス大学。最近、中国とロシアがすごい。いま、アメリカはニュースタイルキュービックが流行っている。折り紙風のデザインが流行っていた。マテリアルコネクション。材料による発想も最近はとても重要になってきている。中川さんは自分の拠点をNYに移そうと考えている。東大以外の大学でこの話をするのは初めて。

五感から発想するデザイン
USTやtwitterを用いて、実施した。デザイン・イノベーションのエンジン。東大も千葉工大も美大とは違うアプローチで、デザインに挑戦しなければいけない。東大は、d.schoolをマネてi.schoolをつくった。
iPadの紹介。プレゼンテーションに使っている。同期させることで、プレゼンで使える。iPadはスピード感が違う。レイテンシがほとんどない。ユニバーサルデザインと五感。東大でやり始めたことを紹介。人間はみな個性を持ち、非常に多様なグループとして存在するのである。Unexpexted designという本をいま書いている。日米で発売する。顕在化された使いにくさtangible 潜在化された使いにくさIntangible.潜在化された使いにくさが重要。五感とリードユーザー。リードユーザーとは、都合の悪いユーザー。高齢社会というのは多様な個性が生まれる時代。普通の人は五感が偏っている。全く目の見えない人に対して車のリサーチをした。ドイツの車に乗った後に、目の見えない人が車の天頂の高さが3.4cm低いことを指摘。共感覚と繋がってくる。いままでに絶対あり得ないリソースの出し方を今日は教えます。Hypothesize.気づきから見立て。連携と置換。ホメオスタシス。見た目からイメージできる触覚の感覚。さっきのマテリアルコンプレックスもそういう文脈でとらえないといけない。オノマトペ。いままでの評価は数値的な評価に偏っていた。映像、言語、数値による尺度でやれるのではないかと考えている。日本と韓国しかザラザラという言葉はない。中国やアメリカには、ザラザラの質感を表現する言葉がない。物をたたく音は、4つか5つに収斂される。
今日は、音をテーマに学生らしさを生かしてワークショップに取り組んでほしい。よくある日本のイメージに基づいて考えてはいけない。古池や 蛙飛び込む 水の音 この俳句から受ける音のイメージは何なのか。ポチャン、チャッポンの2つに大別される。俳句から受けるイメージが自分の個性。そこはすごく大事。オノマトペ 形象擬態 擬音語 音が発する音を字句で模倣したもの、擬態語 状態や感情などの音を発しないものを字句で模倣したもの日本語の言語学的な特徴 日本語は世界でもまれな母音で判断する言語である。母音は子音に比べて周波数が低く、日本語はほかの言語より低い周波数帯で聞き分けている特徴がある。

ここからワークショップに入る。
マーケティングと製品進化。鼻はもっとも退化した器官。その鼻でとらえるからリアリティが感じられる。音のワークショップ。iPadは何が違うのか企業の人と話した。あの重さのデバイスは普通の人は持ち運ばない。これを持ち運ばせようとする発想はマーケティングの人間にはできない。アメリカでは、iPadは予約をしなくても買える。ソフトバンクのプロモーションは最悪。若い人しかターゲットにしていない。高齢者に売り込まないなんてバカげている。このサイズのものは携行しないだろう。iPhoneつくったのに、その大きくなった版は持ち運ばないだろう。デジタルカメラになってから、押しても反応がないのがいや。ワークショップ。一眼レフのシャッター音だけ聞いて、ブランド名を当ててください。いまから5種類の音を聞かせる。一眼レフのシャッター音はデジタルでつくられている。東大で色やカタチだけではなく、音や雰囲気もデザインに入る。人間工学や感性工学的な部分に着目しなければいけない。なんでこのワークショップをしたかというと、耳は使っているようで実は使えていない。ブランド価値とは、当たり前の保証、お約束の実現、スゴイの提案。期待学をやっているのは、それが理由。音とデザインの進化。何もオタクになっていないの、中途半端が一番困る。昔はアメリカもヨーロッパも紙で封筒を飛ばした。その音がMacのメールにも使われている。いろはすを縮ませる音。あの音はあまり好きではない。どうにか変えたかったが、あの薄さでは仕方がない。音のデザイン。設計。サイン音 わかりやすく覚えやすい、計画的につくられた音。ノイズ 使用する上で出てしまう 想定外の音。ノイズによってサービス印象を低くなってしまう。想定外の音を計画的にデザインすることで製品の魅力を生み出す武器にする。カメラのシャッター音、車のドアの開閉音、ゴルフクラブのショット音は、昔はノイズでしかなかった。しかし、音をデザインすることで、新しい価値を生み出すことに成功した。サウジアラビアの人が日本車のシートの革に匂いがしないので、不満を持っていた。日本人は臭いを消すことに躍起になる。音像を検証する。水の音はねっとりしている。天ぷらを揚げている音にも似ている。カメラのモード変更のダイアログの音はよくない。また、夜暗くなるときに、ダイアログが光るデザインになっていない。何かものを確かめるときは、人間はたたく。音像と期待値ボタンの質感によって、想像される音が違う。

東大生に素材のにおいを嗅がせて、ソファをデザインするということもやらせている。素材の匂いからフォルムを発想する。その発想がすごい。針金とペンチ、はさみを渡された。まず、音を聴いて、思い浮かぶ形を描くワークショップ。ライトブレインスマイル。音から思い浮かべるイメージが多様なグループに分けられる。笑うときは、右脳がくすぐられている。音からデザインを発想するのは、訓練すれば誰でもできる。東大生はデザインに対するコンプレックスが強い。東大生は美大のようにきれいなデッサンをするのではなく、自分独自のデッサンをする。全員でやると絶対同じものはでないが、似たようなものは出てくる。
音からイメージした絵をみんなで見せ合う。大事なことは自分のフォルムを見つけること。中川さんは造形心理学でph.Dをとった。左手で描いてみることが大事。また、行き詰まったときは、音楽を聴きながらスケッチすることで発想が生まれる。音楽を聴いたイメージを針金を用いて、表現するワークショップ。会場はこんな雰囲気です。 http://yfrog.com/3w94dj 音楽を聴いた、そのイメージを言葉で説明できることが重要。屁理屈でも音楽の印象を言葉で説明できるようになるといい。
中川さんが代表を務めるトライポッドデザインのウェブサイト。 http://tripoddesign.com/jp/home/index.html 音楽から発想する針金ワークショップのアウトプットを見せ合っています。ベートーベンの運命を聞いての僕の針金デザイン。 http://yfrog.com/jcugcj 規則的に拡散していくリズムを三角形を用いて表現して、最終的には一つに収斂しそうなイメージを針金で表現しました。中川さんの発想の源泉が知りたい。音楽を聴いて照明をデザインする。頭で考えると、構造的になる。
ワークショップ第2部 シナリオビルディング
友達と話をしているとどんどんテーマがかわる。いまから7枚の写真を見せる。気がついたことを書く。コンテクストのビルディングをする。書き出して、KJ法でわけてもいい。リンゴの写真と青虫の写真。この2枚の写真を見て、シナリオをつくる。コンテクストを示すとシナリオをつくるのが人間。とにかく大事なことはシナリオをビルディングすること。自身のパラダイム×共奏する(グループダイナミクス)。いまから7枚の写真を配る。そのシナリオを書いて、最後に発表する。この絵をみながら、自分で思いつく単語を5つ挙げる。 http://yfrog.com/1avlkmj いま、シナリオの発表会。妄想爆発のサスペンス仕立てのシナリオを発表中。こんなに楽しいワークショップは初めてだ。こういうシナリオは普段では絶対あり得ないシチュエーションなんだけど、それを意図的につくりだす。エクストリームなコンテクストをつくり出すことがデザインのインスピレーションに繋がると考えている。シナリオビルディングというかグループワークのときの注意点。最初からみんなで話し合うのはダメ。まず、ひとりで考えて、それから意見を交換する。シナリオビルディングでは、意見の同じところと違うところを探る。同じところは順当な解釈なので、違うところに着目し、シナリオを構築する。

2010年5月19日水曜日

デザインイノベーション特論 5月19日 Edward Tufte

授業評価の説明。ブログかレポートに講義のまとめを書く。ブログに書いた方が評価を高くする。

Edward Tufteというデザイナーを紹介する。日本では、翻訳書が一冊もないが、アメリカではかなり有名なデザイナー。先生がタフテの講演会に5万円払って参加した話。200人くらいの大人数で、かなり大盛況だった。タフテの講演時間について質問。半日の講演。講演には本がついてくる。この講義では、デザイナーの生き方を紹介する。タフテは70歳くらいだが、4冊しか本を出していない。1冊に15年間くらい時間をかけて本を出している。その生き方がいいなと思っている。その本には、自分の作品はほとんど収録されていない。その本の一部を紹介したいと思う。

タフテはどういうことを中心にやっているかというと、印刷物や画面やコンピューターは二次元である。三次元のものが二次元になる。それが印刷物や画面のデザインである。その次元の変換について、タフテは詳しい。IBMにいたときに、タフテのコンサルティングを受けた話。山崎先生が30歳くらいのとき。そのときは、タフテの存在を全然知らなかった。タフテの存在を知ってからは、本を追っている。情報をどうわかりやすく表示するかの例が載っている本の紹介。ダイアグラム。いろんな情報をわかりやすく表現するには、我々の行動は3次元であるので、空間というのがあって、もう一つ時間軸というのがある。つまり、4つの軸が僕たちの生活にはある。コンピューターは時間軸を表現できるが、グラフィックデザインは時間軸を直接表現できる方法はない。

Envisioning Informationという本を例にTufteの考え方を紹介する。Escaping Flatland.平らな土地を避けて、大事なものは上に上げる。伝えたいものは、ピックアップすることが重要。この本には、5つのアプローチがある。Escaping Flatland, Micro/Macro Reading, Layering and Separation, Small Multiples, Color and Information, Narrative of Space and Time.

Escaping Flatlandから解説していく。日本の伊勢志摩に行くときの観光地図が例として本に載っている。その例を使って、先生が説明をしている。地図を使うユーザにとって重要な情報が載っている。それが、Escaping Flatlandの重要な考え方。Tシャツの模様や色をどう伝えるかに関しての表現。全体を俯瞰させる表現にすることで、自分の好みを再認識させる仕組み。

Micro/Macro Readingsとは、大きな情報と小さな情報を両方同時に見せる。ただ、通常は大きな情報と小さな情報は一緒に見せられないのが、通常。携帯電話を例に挙げて説明。携帯電話には階層があり、ミクロとマクロが一緒の情報として提供できていない。Webサイトも同様。Webサイトのパンくずリストの例。ミクロの情報とマクロの情報をつなぐための仕組みがパンくずリスト。マクロの情報とミクロの情報をどう両方を表現するかが、わかりやすくする鍵である。プロダクトや建築を例に、マクロとミクロの情報を説明。コピー機では、遠くからみるとコピー機のように感じられる雰囲気を出していることが重要で、近くにくるとどう操作するのかわかりやすく感じさせる(そして、実際尼僧である)ことが重要。ベトナム戦争、戦死者を一瞬でわからせる壁を例にマイクロ、マクロの関係を説明。マクロとマイクロの関係がわかりやすいと、感動を呼ぶデザインにつながることもある。

Layering and Separationについて、ひらがなの行書体の例。情報には、いろんな視点の情報をつくることができる。その別々な視点をうまく組み合わせることがとてもわかりやすい。手旗信号の例。人間の手をどう動かすかについての説明。人を黒に、動きを赤で説明していて、それがわかりやすい。

Small Multiples.小さいものがたくさんある方が比較しやすくてよいのではないか。ジェスチャーを用いた数量表現についての例。50万のジェスチャーだけをみても何がなんだかわからないが、前後を比較することで、意味が理解できる。世界の川を縦に並べた例。湖があるものは、一目してわかる。ユニクロの広告は、そういうところがある。たくさんのものを載せることで、見る人に好みを再認識させる。

Color and Information. 色を上手に使うことは、ユーザにわかりやすく情報を提供することにつながる。windows3.1の話。タフテと仕事をした。手前の木と奥の木。windowsでのwindowの話。手前のものはいろ鮮やかに、奥のものはモノトーンに。

Narrative of Space and Time. ダヴィンチの手帳の話。大きな絵を描かなくても、小さく落書きをすることで、わかりやすさに繋がっている。携帯電話のような小さなものを使うときに、Narrative of Space and Timeが役に立つ。情報に軸を加えることで、わかりやすくなる。時間、上下。この例の図は、世の中には存在しないグラフィックスだが、わかりやすくなってくる。地図というと俯瞰したものだととらえられがちだが、そこに情報を付与することでわかりやすさに繋がる。ナポレオンのモスクワ遠征のグラフィックスの例。時間が経過するごとに、兵士が減っている。兵士は、戦死した訳ではなく、気温の低さによって死んでいる兵士が多い。

堀江の感想:視点の重なり合うところに情報表現の面白さがあるかもしれない。

Tufteの自分の作品はほとんどない。彫刻の作品がある。森の中にアルミの板をたてると、光の反射などによって森の陰の情報がピックアップされる。Tufteのおもしろさは、三次元での事象を二次元でいかに表現するかを追求していたのに、二次元の表現を三次元に使っているのがおもしろい。

iPhoneの株価アプリを例に説明。全体像が見えないので、いいデザインではない。文章の中にちょっとだけグラッフィクスを入れることで、情報をわかりやすくする。iPhoneの株価アプリのよくないところは、ひとつの株価しか表示されないので、全体像がつかめないし、比較もできない。iPhoneの天気アプリの良くない点を指摘。日本列島の天気図を表示させることで、自分たちの天気を全体の中で位置づけることが可能になり、そうすることがわかりやすさに繋がっている。Tufteの動画を紹介。どんなおじさんかみてほしい。ニューヨークのメトロポリタン美術館での講演。