2010年5月27日木曜日

デザインイノベーション特論 5月26日 リチャード・サッパー

  • リチャード・サッパーの経歴
今日は、リチャード・サッパーの話をする。 ドイツに生まれて、大学では経済学を専攻、経済学の中で工業デザインを活用できないかと考えていた。その後、ベンツに就職し、バックミラーのデザインを担当していた。 ベンツからミラノに移ったが、そのきっかけとなったのは、ジオ・ポンティである。ミラノでジオ・ポンティの建築をみた話。ミラノでは、建築を学んだ学生じゃないと工業デザインを手がけられない。 リナ・シャンテというミラノのデパートで、展示の企画を練った話。サッパーはマルコ・ザノッソとペアで20年近くデザインをしていた。その後、FIATやIBMのコンサルもしていく。 ジオ・ポンティの紹介。イタリアのモダンデザインで重要な人物。ミラノでデザインのエキシビジョンを初めて開催したのが、ジオ・ポンティ。その流れがミラノサローネにつながった。 ジオ・ポンティは建築から始まったが、デザイン界に影響を与える人物である。 建築と工業デザインの違い。工業デザインは、アメリカ発祥の概念。当時のアメリカでのデザインという言葉は、スタイリングを意味する。イタリアでは、建築からデザインがスタートしているので、デザインとは、構造を考えるということである。 今のアメリカでは、スタイリングだけのデザインではない。20年くらい前にIBMに入社した頃の話。そこでは、スタイリングとしてのデザインを担当した。 サッパーがジオ・ポンティの事務所に入れた話。ベンツで板金をやっていたことを売りに、ジオ・ポンティの事務所に入れた。 マルコ・ザノッソの紹介。 Brionvegaというメーカーのテレビをデザインした話。50年前のデザイン。今でもモダンなデザインである。10年前に復刻して売っていた。 いすの話。金属のプレスを使ったいす。丸くして張りをもたせる。 モジュール化されたいすの話。 携帯電話のような電話の話。丸くてかわいい。 BRAUNのデザインの話。シンプルなようでかなり考えられている。造形としては複雑なテクニックが使われている。 学生が考えるシンプルなデザインはつまらない。ボタンやつまみのディテールのデザインがあまいとシンプルなデザインもつまらないものになってしまう。シンプルなデザインを追求する方法として、彫刻のような方法がある。 サッパーはすごいシンプルなデザインが多い。個人的には、結構好きかも。 IBMイタリアの建築。非常要階段をシンボリックに表に出している。階段だけ取り出しても、現代彫刻の展覧会に並んでいてもおかしくないと思う。 見る角度によって形が変化する。このやり方は2つある。角度によって全然違う、驚きを狙ったもの。もう一つは、連続性があるもの。連続性があるものは、不思議な感じがする。 サッパーの時計の話。デビュー作品。弾薬を使って何かできないかとの依頼。50年前の作品だが、2年ぐらい前に復刻された。 サッパーのデザインは、基本的な機能を満たしつつ、全体をシンプルに落とし込み、シンプルさと相反しないようにディテールに気を配ったデザインをしているのが特徴かもしれない。 若いデザイナーは、シンプルさだけに気を取られてしまう。ただ、シンプルなデザインは、すぐに飽きてしまう。 やかんの湯気が出る部分をハーモニカメーカーに依頼した話。ハーモニカのパーツを使っているので、ほかのメーカーが表面的にデザインをまねしても、本物にはかなわない。 飽きないデザインを考えるときは、シンプルなんだけど、動きを与える。 究極のディティール。 サッパーは、細部に神は宿るということを地でいくような人なのか。

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