2010年6月12日土曜日

open source productに関する僕の考え

  • 僕とNOSIGNERさんの前提条件の違い
僕の考えでは、職人の地位向上を狙うなら、ユーザにその価値を理解してもらう必要があり、売っているデザインを見てユーザが職人技かそうでないかの違いを見抜く目をもっていないといけない。でも、それは難しいはず。職人の価値を認めてもらいたいなら、デザイナーだけでなく、経営者やユーザにも職人技の価値が届かないといけない。NOSIGNERさんは、職人のお給料が良くない現実を、まずは職人の技の価値をオープンにすることでデザイナーたちに認めさせようとしている。それはとても現実的なアプローチだと思う。
  • 僕が考える問題点
たぶん、イタリアでは一人一人の人間がいいデザインか悪いデザインかを見抜く目をもっていて、だからこそ3000万円の年収をもらう職人もいたりする。職人技をオープンにすることで、デザイナーにとっては価値が向上するだろうけど、そこから先が今のやり方と変わらないのでは、職人の地位向上も長続きさせるのは、難しいはず。具体的には、ユーザのデザインに対する考え方を変えることをしないとデザインのソースをオープンにしても難しいんじゃないかなというのが、僕の考え。Linux等のオープンソースが普及した背景には、安価で即利用可能というのがあって、職人がまねできない技をいくら公開しても、一般ユーザのデザインに対するリテラシーは向上しない。まとめると、マネしたいと思うかっこいいデザインがオープンソースとして利用可能にならない限り、価格以外の価値に一般ユーザが興味を持ってもらえないと思う。なぜなら現状がそうだから。で、ここでジレンマが生じる。かっこいいデザインをオープンソースとして利用可能にしちゃうと、デザイナーにはお金が入ってこない可能性がある(それは情報を公開する度合いによるけど)。オープンソースとして利用可能にすると、まずは企業がそのリソースを使って製品をつくる可能性がある。それはそれで全然いいことなんだけど、デザイナーの付加価値が簡単にマネできないモノでないと、このオープンソースプロダクトではうまくいかないんじゃないかな?というのが僕のいわんとしていることで、デザイナーは簡単にマネできない付加価値をもっているの?というのが、かなり重要な問いになってくるはず。ちなみに、僕がデザインをオープンにするといった場合、図面等の情報もオープンにすることを想定しています。
  • 解決策とジレンマ
魅力的なデザインをオープンにしない限り、一般ユーザのデザインに対するリテラシーはそのままなはず。今でもニュースサイトでかっこいいデザイン(Dysonの扇風機など)がたまに話題をさらうが、ほとんどのユーザは値段を価値の重要な要因として捉えているので、買ったりするにはいたらないと思う。だから、魅力的なデザインをオープンソースにし、一般ユーザでもつくれるんだ!!とうことをアピールしないと、社会を変えるまでには届かない気がする。だからといって一般ユーザがつくれる魅力的なデザインをオープンにしてしまうと、デザイナーの存在意義が希薄になってくる。
  • 3回目くらいのまとめ
デザイナーや経営者が職人の価値を認めても、ユーザが認めないと長続きする仕組みになり得なくて、そこのところをデザイナーのリソースをオープンにすることでユーザの価値観を変えるきっかけになるんじゃないかと思う。たぶん、オープンソースプロダクトでは、今の電子書籍のように企業側にとってみると、あまりやるメリットが少ない。でも、ユーザにとっては、良質なコンテンツが無料または、紙の書籍よりも安く手に入ったりする。もろに、イノベーションのジレンマみたいな感じですね。でも、僕はこのアイデアはすばらしいと思うので、応援します!!

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